エレン 小説。 左ききのエレン

エレン「はぁ·····またこれか·····」

エレン 小説

こんな時間に殴り合いでもしてみろ、飯抜きじゃ済まされないぞ」 ジャン「ちっ…わーったよ」 ライナー「それよりだな、アルミン。 王様ゲームってのはなんだ?」 アルミン「えっと、読んでみた方がわかりやすいと思う。 読んでみてくれ」 コニー「なんだなんだ?」 ライナー「5~10人で遊ぶゲームか、くじの数は参加者数と等しく、そのうち1つは『王様』と書かれてある」 ベルトルト「1から始まる数字が書かれたくじを1枚ずつ、それぞれ『王様だ~れだ!』と引く」 ジャン「王様と書かれたくじを引いた者の命令は絶対。 けど頼んだぞ!(頼れるのはてめぇだけなんだ!)」 エレン「とりあえず女子は俺とアルミンで誘ってみるぜ」 アルミン「う、うん!(ほんとはエレンだけの方が上手く行くと思うけど…)」 エレン「と、コニーもな」 コニー「俺もかよ!?」 ライナー「クリスタを誘ってくれ」 ベルトルト「アニも誘ってくれない?」 ジャン「ミカサは絶対誘えよ」 エレン「ああ、任せとけ!あー王様ゲーム楽しみだ!」 アルミン「(…コニーのおかげで王様ゲームが出来そうだね)」コソコソ ジャン「(バカも案外使えるな、ミカサだけでいいんじゃねぇか?)」コソコソ ライナー「(バカ言え、クリスタがいなきゃ華がねぇだろ)」コソコソ ベルトルト「(でもクリスタが来るとなるとユミルは絶対来るね)」コソコソ アルミン「(人数会わせと考えればいい。 誰も入ることのできない関係」チラッ エレン「はぁ?いきなりなに言ってんだ?」 アニ「…」 ミカサ「ふっ…」ドヤァ アニ「」イラッ ジャン「ざっけんなよエレン!!」ガバッ エレン「んだよジャン!そんなに強く引っ張ったら服が破けちゃうだろうが!!」 ジャン「んなことはどうでもいい!羨ましいんだよてめぇ!!!」 ミーナ「(あわわわわ)」 アルミン「(また始まったよ…お腹が痛い…)」キリキリ クリスタ「エレン…?だっけ?エレンの周りはいつも賑やかだよね…楽しそうだなぁ」 オイサシャ! ソレオレノパンダロ!! ユミル「おいおい天使ぃ〜私といるのがつまんないってのか?」 チガイマスヨ? コレハベルトルトノデス クリスタ「ち、違うよ!楽しいよ!ゆ、ユミルは私の親友だもん…」テレテレ チョットサシャ!? ソレジャーオレノハドコダヨ ユミル「そうかそうか、ならクリスタ。 私と結婚しよーう」ダキツキ? ワタシノオナカノナカデスヨ? クリスタ「や、やめてよユミル!」 ライナー「(俺もクリスタと結婚したい)」 サシャテメェ!! ユルサネェ!!! ユミル「うるせぇぞバカ!今クリスタと結婚の予定日決めてんだよ!!」 コニー「お前の方がバカだろ!女と女は結婚出来ねぇんだぞ!」 ライベルクリ「(せ、正論)」 ユミル「愛に男も女も関係ねぇんだよ。 私とクリスタは相思相愛だもんなぁ?」ギュー クリスタ「ちょ、だからやめてよ!みんな違うからね!?」アセアセ ライナー「分かってる。 エレンは私の家族、家族は支え合うのが普通」 エレン「いや、普通じゃねぇよ」 アニ「普通じゃないらしいよ?」クスッ ミカサ「エレン。 口元にパン屑が」イラッ エレン「ついてねぇよ触んな!」 ジャン「なぁ、アルミン。 エレンを殺したいんだが」 アルミン「ジャン…殺す前に殺されるよ?」 ミーナ「(私空気だよぉ…ん?)」 アニ「ねぇ、エレン。 今日の対人訓練だけど…」 ミカサ「エレンは私と組む」 エレン「は?勝手に決めんなよ。 少し耳貸してくれ」チョイチョイ クリスタ「ふぇ?」ビクッ クリスタ「な、なにかな?(初めて話しかけられた…)」 エレクリ「…」コショコショ ミカサ「二人はなにをしているの?アルミン」ゴゴゴゴゴ アニ「クリスタ…」ゴゴゴゴゴ ユミ「あいつ…」ゴゴゴゴゴ アルミン「は、話してるだけじゃない?」ビクビク ミカサ「それにしては近いと思うのだけれど?」ゴゴゴゴゴ エレクリ「…」指グッ アルミン「あっあ!ほら!話が終わったみたいだよ!」 ミカサ「エrエレン「もうお前らと口聞かない」 クリスタ「私も」 ミカアニユミ「!?」 アルミン「…」 アルミン「(子供…)」ホッコリ ベルミーナ「(だね…)」ホッコリ ジャンコニー「(だな…)」ホッコリ サシャ「(ですね…)」ホッコリ アルミン「(こいつら直接脳内に…!?)」 エレン「今すぐ謝るっtミカサ「ごめんなさいライナー」 アニ「少しやりすぎたよ………ごめん」 ユミル「その…なんだ、クリスタに手出した訳じゃないしな、悪かったよ」 ライナー「お、おう。 ライナー「あぁ…(これ俺死ぬわ)」 コニー「なぁ、サシャ。 ツンデレってなんだ?」 サシャ「さぁ?食べ物ですかね?」 ジャン「ったくバカ共が。 ツンデレっつーのは本当は好きで好きでデレデレしてぇんだけどそいつの前だとなぜかツンツンした態度を取っちまう奴のことを指すんだ」 コニー「ふーん」 サシャ「へーそうなんですかー」 ジャン「バカに説明した俺がバカだった…」イラッ ミカサ「アルミン。 あなたは間違った知識をエレンに与えてしまった。 たとえ長い付き合いだとしても許されざる行為。 ので、粛正する」パキッポキッ アニ「全く…本当に残念だよ」パキッ ユミル「ライナーてめぇもだからな、覚悟しろよ」ポキッ アルミン「あ…あぁ…」ガクブル ライナー「」コンドコソシンジャウ エレン「…ん?」 クリスタ「?」 エレン「そういえばみんないるじゃねぇか」 クリスタ「エレン?」 エレン「王様ゲームやろうぜ!」 アルジャンライベル「(こいつ…!どこまでバカなんだ…!!)」 ジャン「(よくこの空気で王様ゲームが出せたな!)」 ベルトルト「(しかもSSのタイトルがやっと出たよ…)」オソクナリマシタ コニー「あ!忘れてたぜ!」 ミーナ「王様ゲーム?」 サシャ「なんですか?それ」 エレン「あー王様ゲームっつーのはな!」カクカクシカジカ ミカサ「素敵(これでエレンに…)」 アニ「へぇ…(あいつと…なんてね)」 ユミル「アルミンやるじゃねーか(クリスタにあんなことやこんなことを…)」グヘヘ ミカサ「アルミン、やはりあなたは天才。 さっきのは無かったことにしてあげる」 アルミン「ほんと!?(普通の女性はやりたがらないはずなんだけど…)」 ミカサ「ただし」 アニ「ライナー」 ユミル「てめーはダメだ」 ライナー「」コキョウニカエリタイ クリスタ「もう三人とも!ライナーが可哀想でしょ!?」 ライナー「(女神…)」グスッ ミカアニユミ「ちっ」 エレン「とりあえずライナーは無理だな」 ライナー「!?なぜだ!?怪我してるからか!?そうなのかエレン!!俺にもやらせてくれ!どうしてもやりたいんだ王様ゲームが!!」クワッ エレン「わ、わかったから離せよ!肩いてぇだろ!」 ライナー「わ、悪い…」スッ アルジャンベル「必死さが伝わってくる(よ…)ぜ…」 エレン「そ、そうだよな…仲間外れは嫌だもんな…ごめん」シュン ライナー「ま、まあそんなとこだ。 迷惑かけるつもりはなかった」 ミカサ「ジャンも起こしてごめんなさい」 ジャン「気にすんな」キリッ コニー「いや気にしろよバカ」 アルミン「それでミカサ、何の用?(王様ゲームのことだろうな…)」 ミカサ「もう10時。 早く支度して」 ライナー「そうだぞエレン!支度するぞ!」 エレン「どんだけ楽しみなんだよ、っつかこのままでいーだろ」 ジャン「てめぇはパジャマでやんのか?これだからガキは」ケラケラ エレコニー「んだとジャン!」 ミカサ「やめて。 女子寮で待機しているからと言って女子寮でやるとは言っていない」ギロッ アルジャンライベル「あ、はい(こええ…)」ビクビク ミカサ「その前に場所も決まっていなかったはず」 アルミン「そ、それなんだけど!教官によると今日は誰も使う人いないらしいから食堂でやろうと考えていたんだ」アセアセ ミカサ「さすがアルミン。 有能」 ライナー「食堂か」ヌギ… ベルトルト「そういえば僕たち朝食食べてないね」ヌギ… ミカサ「それは大丈夫。 支給されたパンが配られている」 コニー「お、まじだぞ!みんな食べようぜ!」 ライナー「あ、ああ…(それにしても…)」チラッ ミカサ「?」 アルジャンライベル「(着替え(ずらい…)ずれぇ…)」 エレン「…」 エレン「おいミカサ、いつまでいるんだよ?」 ミカサ「エレンの準備ができるまで」 エレン「5分で済ませるから行けよ」 ミカサ「でm…エレン「でもじゃねぇ、支度終わったら食堂行くからよ、先行ってろよ」 ミカサ「…エレンがそう言うなら了承した」 ミカサ「ではエレン。 それよりもエレンが待っている。 食堂に行こう」 サシャ「食堂!?」ガバッ アニ「あんた、あいつになにもしてないだろうね?」ギロッ ミカサ「愚問。 それにアニには関係ない」ギロッ ミカサ「でも、先程ユミルが言っていたようにエレンと一緒に寝てくればよかった…一生の不覚」 一同「(聞いてたんだ…)」 アニクリ「…」ホッ ユミル「…」チッ ユミル「んでなんで食堂なんだよ?」 ミカサ「アルミンによると、今日は誰も使う人がいないので王様ゲームは食堂でやるとのこと」 ユミル「なるほどな、気が気じゃねぇがクリスタが危ねぇしな」 クリスタ「?」ワタシ?

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兵長の愛とエレンの恋

エレン 小説

午後6時半、旧調査兵団本部。 30分ほど前に訓練は終わった。 その後シャワーを浴びると、夕食の時間までは自由時間となっている。 ちなみに俺、エレン・イェーガーは探し物があるため、大広間というみんなが自由に出入りすることの出来る部屋に来ている。 そこで偶然にもペトラさんに会った。 「ペトラさん。 けほけほっ... 」 「あらエレン、風邪?」 「いえ違います。 俺、喘息持ちなんですよ。 けほっ... 」 「そうなの?」 「はい。 小さい頃に風邪を引いてかららしいんですけど。 」 「大丈夫?」 「はい。 ありがとうございます。 」 「兵長たちは知ってるの?」 「いえ、同期はみんな知ってると思いますけど、兵長とかは知らないと思います。 」 「そう... 言わないの?」 「調査兵団に入ってからはあまり発作とかは出てないので大丈夫かと思って。 言ったら迷惑になるのではないかと.... 」 「そっか。 でも今度、時間のある時にでも言ったほうがいいと思うわ。 何かあった時に困るでしょ?」 「... そうですね。 暇を見つけて兵長に話しておきます。 」 ペトラさんとの会話を終え、目的の物も探し当てて地上にもある自分の部屋に戻る。 「あ、エレンおかえり。 」 「おう。 」 「どこ行ってたんだ?」 「ガム取りに行ってたんだよ。 」 「は?ガム?」 「ああ。 ちょっと発作が起こりそうだったからさ。 」 「発作?」 「ああ。 喘息のな。 」 「なんだ、喘息かよ。 」 「なんだってなんだよ。 」 「別に深い意味はねぇよ。 」 「ちょっと2人ともやめなよ。 」 「... 」 「... 俺も悪かった。 」 「さあ、もうこの話はおしまい。 もうすぐ晩ご飯の時間だから食堂に行こう?ね?」 「ああ」 「そうだな」 *** 『いただきます。 』 晩ご飯は全員そろって食べるというのが調査兵団の決まりである、らしい。 もちろん全員と言うからには、104期の俺たち調査兵団以外に兵長たちもいるのだ。 「けほけほっ。 」 「エレン、今日は空咳多くない?」 「なんかよくわかんねぇんだけど、すごい出るんだよな。 」 「空気悪いのかな?」 「さあなー。 部屋に戻ったら、地下に行くまで窓開けといていいか?」 「うん。 発作出ちゃったら困るもんね。 」 「ああ。 」 *** 「窓、これくらい開けてればいいかな?」 「ああ。 さんきゅーな。 」 「うん。 」 「それにしても今日の訓練、キツかったよな。 」 「そうだね。 まだ初夏と言っても結構暑いし、体にはちょっと... 」 「なんだなんだ?エレンもアルミンも根性ねぇな。 俺なんかピンピンしてるぜ。 」 「... は?お前... だって... 倒れそうに、なってた.... だろ?」 「なんだお前?息切れしてんぞ。 」 「... 」 「おい、大丈夫か?」 「だいじょぶ... だって..... 」 「いや、大丈夫って感じじゃねぇだろ。 ちょっと深呼吸しろって。 」 「なんでも.. ねぇ、から.... 」 「なんでもなくねぇよ。 いいからちょっと落ち着けって。 」 「そうだよエレン。 ちょっと深呼吸してみよ?」 「.... 」 「そうそう。 」 「.... 」 「大丈夫?」 「ああ... 」 「もうちょっと深呼吸してて。 」 「... ふ、ぅ..... 」 「大丈夫?」 「.... 」 「落ち着いた?」 「ああ。 」 「苦しくない?」 「大丈夫だ。 悪いな。 」 「ううん。 大丈夫そうならよかった。 」 「ジャンも... 悪かった.... 」 「俺は別に、倒れられても困るからな。 」 「そうか.... 悪いけど俺、もう地下室行くわ。 」 「え、もう?」 「今日はあんまり調子良くなくてさ。 発作っぽいの出ちまったし。 」 「そっか、おやすみ。 何かあったら言ってね?」 「ああ、おやすみ。 」 眠る時は、地下に行かなくてはならない。 理由は簡単だ。 寝ぼけて巨人化してしまった時、地下ならすぐに拘束してもらえる。 もしかしたら、殺されてしまうかもしれない。 それだけは、本当に勘弁してほしい... 「兵長。 」 寝るときは、兵長に声をかけて地下に降りる決まり。 これは、ここに来た時からずっと変わらない。 「入れ」 「失礼します。 」 「なんだ?」 「いえ、もう寝ようと思って。 」 「こんな時間からか?」 「はい。 けほっ... 」 「お前、その咳はなんだ?」 「え?別にそんな大したことは... 咳くらい普通に出ますし。 」 「.... それもそうだな。 先に地下に行ってろ、後から行く」 「わかりました。 」 *** 地下室に着くと、すぐにベッドに転がり込んだ。 程なくしてコツコツと規則正しいブーツの音が聞こえてきたため、姿勢を正す。 どうして俺が兵長の部屋に行ったのかと言うと、寝るときは手枷を付けなくてはならないからだ。 寝ている間に手を噛みちぎって巨人化しないようにするために。 念には念を、な... 「エレン、入るぞ」 「はい。 」 兵長は俺の腕に手枷を付けていく。 前は足にも付けていたけど、そこまでする必要はないと、いつからか外してくれた。 「キツくないか?」 「はい、大丈夫です。 」 「何かあれば、こいつで呼べよ」 「はい。 」 指差されたボタン。 よくわからないけど、ボタンを押すとベルが鳴るらしく、呼んでいるというのがわかるみたいだ。 「兵長、おやすみなさい。 」 「ああ」 地下室から出て行く兵長を見送ったあと、ベッドに横になる。 布団を掛けて、目を瞑った。 けほけほっ。 」 兵長の前で空咳が出たのが1度だけで助かった。 何回もしていたら怪しいもんな。 *** 夜も随分更けた頃、喘息の発作によって目が覚めた。 けほけほっ。 いや、こんな時間だからか。 」 胸が痛い.... 呼吸をする度に、変な音が鳴る。 夜は、発作が起こりやすい.... ひゅー.... 息ができない.... 「げほげほっ.... けほっ.... 」 もう嫌だ。 痛む胸を押さえて酸素を吸おうとしても、変な音が鳴るだけで、酸素はまったく入ってこない... 咳も治まってはくれなくて、つらい。 けほけほっ....... げほっ... 」 「エレン?」 急にどこかから名前を呼ばれて、主を探す。 どこから声がしているんだろうか? 「どうした?」 「...... ひゅっー... 代わりに出たのはひゅっ。 という笛のような音だけで.... 「なんだお前?」 「... けほっ...... く、るし.... 」 ガチャリと鍵を開けて、こちらに近寄って来る兵長が見えた。 コツコツと、ブーツの音が近くなる。 「どうした?」 「... けほっ.... っ」 話そうとしたけど、苦しくてそれどころではない..... 「少し待ってろ」 そう言い残して、どこかに行ってしまった。 なんとなく、心細い.... *** 「ゼー...... げほっ... 」 喉を締め付けられる感覚。 まるで呼吸をするなというように... 酸素不足なのかなんなのか、頭がぼぅっとしてきた。 げほっ..... 」 「エレン!」 「..... ひゅっ... ?」 「ハンジを連れて来た。 診てもらえ」 「エレン、大丈夫?」 「.... げほげほっ.... 息を吸おうとすればするほど、機械的な音やぜろぜろといった音が響き渡るだけだ。 意識が....... 」 「確かこの中に..... あった!」 「なんだそれは?」 「メジヘラー。 」 「は?」 「吸入ステロイド薬。 エレン、聞こえるかな?」 「..... 」 「エレン、口の中に何か入ったのわかる?」 「..... 」 「よし、じゃあ息吸ってみて。 」 吸ってみてと言われても、酸素がほとんど入ってこない... 息が吸えない.... 「大丈夫大丈夫。 まずは息を吐いてみて。 」 「.... 」 「そうそう。 次はそのまま呼吸をするみたいに、息を吸ってごらん?」 「.... 」 「そうそう。 口の中のやつ、抜くからね。 」 「.... けほけほっ.... 」 「エレン、すぐ効いてくると思うからもう少し頑張って。 」 *** 「けほっ..... 」 「あ、そろそろ効いてきた?」 「... ご迷惑お掛けしました。 」 「おいエレン」 「リヴァイ、ちょっと待って。 今は私が話してるの。 」 「ちっ」 「ねぇエレン。 」 「はい。 」 「吸入ステロイド薬で治まったってことは、喘息持ちだよね?」 「... ごめんなさい。 」 「どうして言ってくれなかったの?」 「... 調査兵団に入ってから... は、発作とかはあまり出ていなかった... ので、えっと... 大丈夫かと思って。 」 「うーん、そうなんだ。 でも、これからはちゃんと言わないとダメだよ?」 「... すみません。 」 「喘息はいつから?」 「小さい頃に風邪を引いて... それからです。 」 「そうなんだ。 こういう発作が出たことはないの?」 「.... あります。 」 「その時はどうしてたの?」 「ここまで酷くなったのは初めてだったので...。 いつもは少ししたら治まってくるんですけど....。 あとは発作が起こる前はなんとなくわかるので、その前にガムを噛んでいました。 」 「今日はわからなかったの?」 「晩ご飯の前に危険な感じがしたので、ガムを食べました。 でも今は寝ている時でしたし、ガムも上に忘れてきてしまって.... 」 「うーん、そういうことか。 じゃあこの吸入薬持ってれば?」 「え.... 」 「だーいじょーぶ。 それにもう、エレンが使っちゃったしね。 」 「いいん... ですか?」 「うん、どうぞー。 」 「ありがとう... ございます。 」 「いえいえ。 あと、ガムは常備しておいてね。 」 「はい。 」 「おいエレン」 「はい。 」 「発作が起きそうになったら俺に教えろ」 「え... 」 「上官命令だ」 「.... 」 「エレン、リヴァイが嫌だったら私にでもいいからね。 」 「... わかりました。 」 「おいクソ眼鏡、どういう意味だ」 「え、そのままの意味でしょ。 」 「ちっ」 「とにかくエレン、私かリヴァイのどっちかには教えてね?」 「... 」 [newpage] 兵長は、いつも朝の6時半頃になると俺の手枷、足枷を外しに来る。 コツコツと規則正しいブーツの音が、今日も 地下室に響き渡る。 その音を確認してから、体を起こし、ベッドの上に腰掛ける。 南京錠をカチャリと開けると、重い扉を片手で開け、兵長は中に入って来る。 いつものことながら、すごい力だ..... 「兵長、おはようございます。 」 「ああ」 兵長が目の前に来ると、両手を差し出して枷を外してもらう。 足も同様に....。 「体調は?」 「..... ?」 「喘息の発作はどうだって聞いてんだよ」 「... あっ、今はもう平気です。 ご迷惑をおかけしました。 」 「そうか」 「はい。 」 今日の訓練は休み。 理由はよくわからないけど、たまに休みになる時がある。 「ほら、もういいぞ」 「ありがとうございます。 」 自由の身になった。 少し赤くなっている両手首をさする。 枷で固定されていると、動きづらいから嫌だ。 「早く行って朝食の準備を手伝え」 「あっ、はい。 」 スタスタと歩いて行ってしまう兵長を追いかけるように、着替えを済ませて大広間へと向かった。 *** 朝食も無事に食べ終わり、今は地上にもある自室でゴロゴロしている。 「エレン、んなとこでゴロゴロすんなよ。 」 「別に俺の部屋でもあるんだからいいだろ?」 「でけぇのがいると邪魔なんだよ。 」 「あ?だったらお前が出て行けよ。 」 「お前こそ地下に行ってろ。 」 「ちょっと2人とも!どうして喧嘩しかできないの?」 部屋は、アルミンとジャンと一緒。 顔を合わせる度、ジャンとは喧嘩が絶えない。 「ねぇ、2人は今日、何するの?」 「俺は特に何も.... ここでゆっくりしようかと。 」 「俺もだ。 」 「そっかぁ... 僕も決まってない。 」 「おい、ここにエレンはいるか?」 ガチャリッとノックもせずに、兵長は部屋の中に入ってきた。 「兵長。 何のご用でしょうか?」 「ちょっとツラを貸せ」 「.... 」 *** 兵長に連れて来られたのは、みんなが使う大広間。 そこでポイポイと白い割烹着のようなものと三角巾、それからマスクを渡された。 「この部屋が汚ねぇんだ。 掃除を手伝え」 「え、なんで俺だけ.... 」 「なんか言ったか?」 「掃除サイコー!」 マスクを装着し、割烹着と三角巾も付けた。 準備万端で掃除に取り掛かる。 「お前はそっちだ」 「.... 」 兵長に指さされたのは、大広間の奥の部屋... みんながあまり使っていない部屋だ。 ドアを開けると、少し埃のにおいがした。 埃は、喘息持ちの俺に取っては大敵... でも兵長の手前、文句を言うことは出来ず結局は掃除をする羽目になった。 *** 「ど... どうでしょうか?」 「... 悪くない」 掃除を始めてから数時間後、掃除を終えて兵長に見てもらった。 どうやら合格点らしい。 「休みなのに悪かったな」 「いえ... 」 お疲れ様でした、と大広間を出て、歩き出した。 空咳が、結構出る... 「けほっ.... 」 スタスタとひと気のない場所を目指した。 息が、苦しくなってきた気がする。 「けほ... 」 最終的には走って、あまりみんなが使わないトイレまで駆け込んだ。 深呼吸をして呼吸を整える。 やっぱり埃のあるところに長時間いるというのは、自殺行為だった。 ポケットから急いでガムを取り出して噛んだ。 治まれ... 治まれ.... けほけほっ.... けほっ!」 それからしばらくすると、咳も息苦しさも治まった。 今回は発作になるまでひどくはならなそうだ.... はぁ、疲れた.... 」 割烹着と三角巾を取り、右手に持って部屋への道を歩き始める。 窓の外を見るともう真っ暗だった。 急いで部屋に戻り、時計を確認する。 「エレン、おかえり。 」 「アルミン。 」 「今からご飯食べに行くところだったんだよ。 一緒に行こ?」 「ああ。 」 大広間に行くと、兵長はもう席に座っていた。 髪も少し濡れているから、お風呂に入ったんだろう。 すごい早ワザだ.... 30分もしないうちに晩ご飯を食べ終え、そのあとはお風呂も済ませて、今は地下にある自分の部屋にいる。 時刻は、午後10時34分。 そろそろ寝ようかと、ベッドに横になった。 ここに来る際に兵長に声をかけて、すでに枷はついている。 身動きが取れない状態.... 自分の寝やすい体勢を見つけて、すぐに目を瞑った。 *** 「ゼー... ぜぇっ... 」 息が苦しい。 夜中、眠っているときに急に襲ってきた発作。 ステロイド薬を目掛けて、テーブルのほうに手を伸ばす。 視界がぼやけていて、うまく距離感がわからない。 それでも手を伸ばしてがんばっていると、カランカランとステロイド薬が床に落ちてしまった。 」 取らないと... そう思っても、枷を付けているから身動きが取れない。 けほけほっ.... 」 喉が締め付けられる感覚... 苦しい... 頭がぼぅっとしてきた。 もう意識を手放してもいいかな... *** 夜中、エレンの様子を見に行こうと地下までの階段を下りていた。 こうしてエレンの様子を見に行っている。 もちろん、監視役としてだ....。 階段も残り数段というところで、げほげほと苦しそうに咳き込む声が聞こえてきた。 その主はわかっている。 少し急ぎ気味に階段を下りて行く。 カツカツとブーツの音を響かせながら、階段を下りて右に曲がるとエレンの部屋がある。 すぐに南京錠を開けて中に入った。 「エレン」 声をかけても返事はなく、聞こえてくるのはぜぇぜぇと苦しそうな呼吸のみだ..... 薬は吸っていないのだろうかと辺りを見回すと、エレンの左手がベッドからダランと垂れ下がっているのが確認できた。 その手を辿っていくと、昨日ハンジからもらっていた吸入ステロイド薬が床に落ちてしまっていた。 仕方ねぇな、と思いながら薬を拾い、キャップを外す。 「ぜっ.... げほげほ.... 「エレン、吸え」 「.... けほっ..... 」 「エレン」 「..... 」 口の中の異物感が嫌なのか、エレンは俺の手を掴み、首を横に振る。 「エレン、薬だ。 吸え」 「.... 」 「エレン」 「.... 」 何度か息を吸ったことを確認すると、それを口から外した。 げほっ.... 」 「深呼吸できるか?」 「..... 」 「エレン」 「げほげほっ.... ゼーゼー..... 」 「エレン」 「.... っくるし..... 」 そう洩らすと、胸を押さえ出した。 少し呼吸が浅くなったように思う。 」 「なんだ」 「どうせ、夜中にエレンの様子を見に行くんでしょ?」 「そのつもりだが」 「夜中にエレンに渡した薬、あれのことなんだけど。 」 「ああ」 「エレンの発作、結構ひどそうだったから、もし一回吸入しても治まらないようだったら、20分おきに吸入して。 そんで3回吸入しても治らなかったら、私のところに連れてきて。 」 *** 「.... けほっ... けほけほ... 」 ようやく薬が効いてきたようで、少し前からゼーゼーという音は聞こえなくなった。 まだ咳き込んではいるが、先ほどよりはだいぶいいだろう。 吸入は、全部で2回やった。 けほっ... 」 「なんだ」 「....... なさぃ...... 」 「別に謝らなくていい」 「でも.... 」 「でももクソもねぇ」 「.... 多くて..... 」 「あ?」 「.... けほっ.... 多くて.... 」 「そうか」 「..... さっきも薬を... として... けほけほ... 」 「ああ」 「..... ごめんなさぃ.... 」 「お前、少しの間は俺の部屋で寝たらどうだ?」 「.... けほっ.... そういうわけ... 」 「俺ならお前が巨人化しても、対応できる。 心配しなくていい」 「.... ぃぃん.... ですか?」 「ああ」 「.... げほっ... お願いし... 」 「ああ」 *** 「それで?」 「え?」 「リヴァイ兵長の部屋に行くことにしたの?」 「... 」 「そっか。 まあ、発作が起こった時は誰かがいてくれると安心だよね。 」 「ああ。 」 「今日、訓練は?普通にやるの?」 「ああ。 埃とかがなければ大丈夫だからな。 」 「そっか。 無理はしないでね。 」 「わかってる。 」 *** 今日の訓練は、あまり疲れるものではなかった。 3、4人のグループに分かれ、巨人と遭遇した時の対処法の仕方... それから木や建物がなく、立体起動装置が使えない場所で巨人と遭遇してしまった時の対処法。 この2つだけだった。 最近は暗くなる時間が早いため、今日の訓練は午後5時を少し過ぎたところで終了となった。 「けほっ... けほけほっ.... 」 「エレン、大丈夫?」 「.... けほっ... 」 「最近は、本当に空咳多いね。 」 「.... 季節の変わり目だし.... 朝晩の気温が違うからしょうがねぇんだけどな..... 」 「そっか。 そういうのでも、発作って起こるんだっけ... 」 「ああ。 」 「温かくして寝ないとね。 」 「.... けほっ... そうだな... 」 *** 心臓が、バクバクとうるさい... 夜、晩ご飯も食べ終わったしお風呂にも入った。 少し前までは、アルミンとジャンと地上に与えられた部屋にいた。 でも、兵長に呼ばれて、今は部屋にお邪魔している。 「何か飲むか?」 「いえ、お構いなく... 」 兵長の部屋は、みんなと同じ部屋のはずなのに綺麗に掃除がしてあるし... この部屋だけ、全然違う場所みたいだ。 」 「どうした?」 「あっ、あの... 綺麗なお部屋だと思って... 」 「掃除をすれば、誰でもこれくらいにはできる。 奇行種意外は... 」 「奇行種?... 」 ハンジさんのことか... 奇行種... うん、確かに奇行種っぽい感じもするような気がする....。 さすがにこれだけ綺麗だと、空咳もあんまり出ない気がする。 まあ、夜中は発作が起きやすいからわからないんだけど.... 「お前、薬は持ってきたか?」 「あっ、はい。 バッチリです。 」 「そうか、よし、寝るぞ」 「えっ、もうですか?」 「ああ。 健康の秘訣は、早寝早起きだ」 「.... ですか.... 」 「ほら、お前も早くベッドに移動しろ」 「えっ、俺はこのソファで.... 」 「あ?何のためにこの部屋で寝かせてやると思ってんだ。 いいから早くベッドに行け」 「.... 」 右手を掴まれて、強引にベッドに移動させられた。 寝転がると奥に行けと言われて、ズズッと移動する。 壁にピッタリとくっつくように、体を縦にして細くなった.... 「何してる。 もう少しこっちに来い」 「.... 」 「くっついてないと寒いだろうが」 「あっ... そ、そうですよね!あははっ... 」 なんか、早とちり? 恥ずかしい... 兵長が変な気なんて、起こすわけがないのに.... 「兵長... 」 「あ?」 「おやすみなさい。 」 「ああ。 発作が起きたら起こせよ」 「.... 」 緊張するから壁のほうを向いた。 背中に兵長の体温を感じながら、眠りにつく。 [newpage] 「..... ひゅう.... 」 夜中、何やら変な音が聞こえてきて目が覚めた。 少し眠い目を擦りながら、ベッドの近くにあるスタンドライトを手探りで点ける。 急に明るくなった視界に、思わず顔を顰めた。 エレンのほうを見ると、壁のほうを向いて小さく震えていた。 エレン?」 「.... っめんな.... 」 「発作か?」 「.... ひゅっ.... けほけほっ... 」 すぐに起き上がり、エレンの背中をさすってみる。 でも、あまり意味はなさそうだ。 そういえば薬を持ってきていたと言っていたことを思い出し、急いであたりを見回す。 ?」 どこにやったのだろうか? 見回しても、見つからない。 げほげほっ.... 」 「エレン、薬はどこにやった?」 「.... けほっ... 」 問いかけても返事はない。 ハンジのところに行こうかとも思ったが、こんな状態のガキを放っておくわけにはいかないだろう.... 「エレン、薬はどこだ?」 背中をさすりながら、何度も何度も声をかける。 」 エレンは急に、右手で口元を押さえ出した。 吐きそうなのだと判断して、急いでゴミ箱を持ってくる。 苦しそうなエレンの体を支えて座らせてやり、顔の目の前にゴミ箱を出した。 「ここに吐いていい」 「ぜぇ.... 」 そう言っても、エレンは首を横に振って吐こうとしない。 「エレン、吐け」 吐けというように背中をさすってやると、エレンは嘔吐き、しばらくすると吐き出した。 「うっ..... おぇっ..... 」 「我慢しなくていい。 全部吐け」 「... おえっ.... 」 *** しばらく背中をさすっていると、エレンが左手で何かを握っているのが目についた。 その手を掴み、自分のほうに持って来ると、先ほどから探している吸入ステロイド薬だ。 それをエレンの手から取り、蓋を外す。 さすがに吐いた口の中に入れるのはどうかと思って、とりあえず吐き気がなくなるまで待った。 10分ほどすると、エレンは吐くものがなくなったらしくベッドに倒れこんだ。 その体を起こし、洗面所まで連れて行く。 「エレン、口をゆすげ」 「...... 」 エレンから聞こえてくるのは返事ではなく、ぜぇぜぇという機械のような音のみ。 「エレン、聞こえるか?」 「...... 」 返事はないが、エレンはコクコクと小さく頷いて見せた。 それを確認してコップを渡す。 「口ゆすげ」 「.... ひゅっ..... 」 2、3度、口をゆすいだエレンは、俺に体重を預けてきた。 この状態で歩かせるのは危険だと思い、抱きかかえてベッドに戻った。 ぜぇぜぇという苦しそうな呼吸は、未だに変わっていない。 先ほどエレンの手から取った吸入ステロイド薬のキャップをもう一度開ける。 「エレン、口を開けろ」 「ぜぇ.... ひゅっ.... 」 聞こえているのかいないのか、エレンは口を開けようとしない。 そのため、少々強引にステロイド薬を口に突っ込んだ。 「吸え」 「..... ひゅぅ.... 」 声は聞こえていたようで、エレンは数回息を吸った。 薬が入ったことを確認してから、口から抜く。 *** 「..... ひゅう... けほけほっ.... 」 「どうだ?」 「.... ひゅっ.... めんなさ.. 」 「どうして謝る?」 「.... んなさ...... 」 「エレン、俺は別に謝罪は求めてない」 「..... こして...... めんなさ... けほけほっ.... 」 「泣くな、面倒臭せぇ」 小さく肩を震わせるエレンの頭を撫でてやる。 どうしたら発作が起こらないのか... はたまた、どうしたらラクになるのか... それを明日、ハンジに聞いてみるか。

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兵長の愛とエレンの恋

エレン 小説

| | |評価、お気に入り、コメントお願いします&ありがとうございます!!! それと、この作品は、エレン落ちの予定です 4. 女の子をつれて。 「おい、エレン」 「は、はいっ」 「コイツの話し相手にでもなっとけ」 ポイッと投げられた少女を慌ててキャッチ。 「兵長!! 普通に渡してください!!! 」 「うるせぇ。 じゃあな」 「あ、ちょ…」 手を伸ばすが、当然届かない。 「すみません、大丈夫ですか? って、え?」 少女の目には、包帯が巻かれていた... なるべく更新するようにします!

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